理論・視点

Punctuated Equilibrium断続均衡モデル

一言で言うと

組織は、長い安定期の中で少しずつしか変わらず、ときおり短期間に根本からまとめて変わる。変化は連続的ではなく、「安定」と「革命」の繰り返しとして起こる、とするモデル。

説明したい問い組織の大きな変化は、少しずつ積み重なって起こるのか、それとも一気に起こるのか。
原典Romanelli, E., & Tushman, M. L. (1994)
Organizational transformation as punctuated equilibrium: An empirical test
分類Theory
分析単位チーム · 組織
理論系譜進化論 · プロセス
01

中核的な問い

組織の変化は、日々の小さな改善の積み重ねで起こるのか。それとも、長い停滞の後に一気に起こるのか。

02

主張とメカニズム

生物学の断続平衡説から着想を得たこのモデルでは、組織には戦略・構造・権力配分・統制システムなどが互いに噛み合った「深層構造」がある。安定期には、この構造を保ったまま小さな調整だけが行われる。

しかし、業績の悪化や環境の大きな変化、経営者の交代などをきっかけに、深層構造が短期間でまとめて組み替えられる。Romanelli & Tushman (1994) は米国のミニコンピュータ企業を分析し、大きな変革の多くが短期間に複数の領域で同時に起こっていたことを示した。

03

身近な例

長年同じやり方で安定していた企業が、業績危機と社長交代をきっかけに、事業構成・組織構造・人事制度を1〜2年のうちにまとめて変える。部分的な改革を順番に行うより、一気に変える方が抵抗に打ち勝ちやすい、とも説明される。

04

主要概念

深層構造(deep structure)
組織の基本的な選択(戦略、構造、権力、統制)が互いに噛み合ったまとまり。
収束期(convergence)
深層構造を保ったまま、小さな調整が続く期間。
革命的変化(revolutionary change)
深層構造が短期間に根本から組み替えられる変化。
05

代表的な展開研究

  • Gersick, C. J. G. (1991). Revolutionary change theories: A multilevel exploration of the punctuated equilibrium paradigm. Academy of Management Review. DOI ↗個人・集団・組織・科学など複数のレベルで、断続均衡の考え方を比較整理した。
06

批判と境界条件

すべての変化がこのパターンに従うわけではなく、継続的に少しずつ変わり続ける組織もある(連続的変化・Brown & Eisenhardt など)。また、何を「革命的」とみなすかの基準によって結果が左右されやすい。

REFERENCES

出典

  • 原典Romanelli, E., & Tushman, M. L. (1994). Organizational transformation as punctuated equilibrium: An empirical test. Academy of Management Journal. DOI ↗

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