Five Forcesファイブ・フォース
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一言で言うと業界の収益性は、既存企業どうしの競争、新規参入の脅威、代替品の脅威、買い手の交渉力、売り手の交渉力という五つの力で決まる。企業はこれらの力が弱い位置を選ぶべきだ、とする枠組み。
Competitive strategy: Techniques for analyzing industries and competitors
中核的な問い
航空業界のように多くの企業が利益を出しにくい業界もあれば、長く高い利益を上げやすい業界もある。この違いは、個々の企業の努力だけでは説明しにくい。業界そのもののどんな特徴が、収益性を左右しているのか。
主張とメカニズム
Porter (1980) は、経済学の産業組織論をもとに、業界の構造を分析する枠組みを示した。業界の利益は、五つの競争の力によって削られる。既存企業どうしの競争、新しく参入してくる企業の脅威、代わりになる製品やサービスの脅威、買い手(顧客)の交渉力、売り手(供給業者)の交渉力である。
これらの力が強いほど、業界の利益は小さくなる。例えば、参入障壁(新規参入を難しくする要因)が低ければ、利益が出るとすぐに新しい企業が入ってくる。そのため企業は、自社を取り巻く力を分析し、その力から身を守れる位置を業界の中に見つけることが大切だとした。
身近な例
ある地域にコンビニが一つしかなければ、価格を多少高めにしても客は来る。しかし周りに次々と新しい店ができ、ネット通販という代わりの手段も広がると、値下げや品揃え競争を強いられる。同じ商売でも、周囲の力の強さで利益は大きく変わる。
主要概念
- 参入障壁(barriers to entry)
- 規模の経済や必要な投資額など、新しい企業の参入を難しくする要因。
- 代替品(substitutes)
- 業界の製品とは異なるが、同じ顧客のニーズを満たす製品やサービス。
- 交渉力(bargaining power)
- 取引相手に対して、価格や条件を自分に有利に決められる力。
- 業界構造(industry structure)
- 競争の状態を左右する、業界の比較的安定した特徴。
批判と境界条件
業界の構造を比較的安定したものとみなすため、技術変化の速い業界では分析が古くなりやすい。また、競争を奪い合いとして捉え、企業どうしの協力や補完関係を十分に扱っていない。同じ業界の企業間の業績差を説明するには、資源ベース・ビューのような企業内部に注目する視点が必要である。
出典
- 原典Porter, M. E. (1980). Competitive strategy: Techniques for analyzing industries and competitors. Free Press.
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