理論・視点

Knowledge-Based View of the Firm知識ベース・ビュー

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一言で言うと

企業にとって最も重要な資源は知識である。企業は、個人がばらばらに持つ専門知識を統合し、製品やサービスに変えるための仕組みだ、とする視点。

説明したい問い知識を持つのは個人なのに、なぜ企業という組織がそれを活かす場として存在するのか。
原典Grant, R. M. (1996)
Toward a knowledge-based theory of the firm
分類Theoretical perspective
分析単位組織 · 個人
理論系譜経済学 · 認知
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中核的な問い

資源ベース・ビューは、真似しにくい資源が競争優位を生むと考えた。その中でも特に重要なのは知識ではないか。そうだとすれば、企業はなぜ存在し、どのように組織されるべきか。

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主張とメカニズム

Grant (1996) は、知識は個人の頭の中にあり、生産には多くの人の専門知識が必要だという点から出発した。人は専門化するほど深い知識を得るが、その分、他人の知識を学び尽くすことはできない。特に、言葉にしにくい暗黙知は、人から人へ移すのが難しい。

そこで企業の役割は、知識を移すことではなく、知識を統合することにあるとした。統合の仕組みとして、ルールや手順、作業の順序づけ、日常的な決まった手順(ルーティン)、集団での問題解決が挙げられた。市場での取引よりも、企業の中の方がこうした統合を効率よく行える。これが企業の存在理由だと考えた。

03

身近な例

病院の手術チームでは、外科医、麻酔科医、看護師がそれぞれ異なる専門知識を持つ。互いの知識をすべて学ぶことはできないが、手順書や決まった段取りを通じて、一つの手術として知識を組み合わせている。

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主要概念

暗黙知(tacit knowledge)
言葉や数字で表しにくく、経験を通じて身につく知識。
形式知(explicit knowledge)
文書や数式などで表現でき、伝えやすい知識。
知識の統合(knowledge integration)
異なる専門知識を組み合わせて、製品やサービスを生み出すこと。
組織ルーティン(organizational routine)
組織の中で繰り返される、決まった行動のパターン。
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代表的な展開研究

  • Kogut, B., & Zander, U. (1992). Knowledge of the firm, combinative capabilities, and the replication of technology. Organization Science. DOI ↗企業を、知識を組み合わせて新しい能力を生み出す社会的な共同体として捉えた。
  • Conner, K. R., & Prahalad, C. K. (1996). A resource-based theory of the firm: Knowledge versus opportunism. Organization Science. DOI ↗機会主義を前提にせずに、知識の観点から企業の境界を説明しようとした。
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批判と境界条件

資源ベース・ビューの一部にすぎず、独立した理論と呼べるかは議論がある。また、「知識」の定義が広く、どの知識をどう測るかが難しい。知識の統合を重視する一方で、組織内の権力や利害の対立はあまり扱っていない。

REFERENCES

出典

  • 原典Grant, R. M. (1996). Toward a knowledge-based theory of the firm. Strategic Management Journal. DOI ↗

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