理論・視点
Loose Couplingルース・カップリング(緩やかな結合)
一言で言うと組織の部分同士は、互いに反応しあいながらも、それぞれの独自性を保ち、ゆるくしかつながっていない。この「ゆるさ」が、欠点であると同時に適応の強みにもなる、とする見方。
説明したい問い組織の各部分がきっちり連動していないことは、何を意味し、どんな働きを持つのか。
原典Weick, K. E. (1976)
Educational organizations as loosely coupled systems
Educational organizations as loosely coupled systems
分類Concept / perspective
研究分野組織論
分析単位組織
理論系譜認知 · 社会学
01
中核的な問い
組織図や計画では部分同士が連動しているように見えるが、実際の学校では、校長の方針と教室の授業はそれほど連動していない。このような状態をどう理解すればよいか。
02
主張とメカニズム
Weick (1976) は学校組織を例に、部分同士が「反応しあうが、それぞれの独自性と物理的・論理的な分離を保っている」状態をルース・カップリングと呼んだ。
ゆるい結合には利点がある。ある部分の失敗が全体に波及しにくい。各部分が現場の状況に合わせて独自に工夫できる。環境の変化を多様な形で感じ取れる。一方で、全体としての変革や標準化は進めにくい。
03
身近な例
本社が新しい営業方針を打ち出しても、各支店は地域の事情に合わせて独自に運用し続けることがある。これは統制不足にも見えるが、ある支店のやり方が失敗しても他の支店には影響しない、という強みでもある。
04
主要概念
- 結合(coupling)
- 組織の要素同士が、どれほど強く、速く互いに影響しあうかの程度。
- タイト・カップリング
- 一部の変化がすぐ全体に伝わる強い結合。効率的だが、失敗も連鎖しやすい。
05
代表的な展開研究
- Orton, J. D., & Weick, K. E. (1990). Loosely coupled systems: A reconceptualization. Academy of Management Review. DOI ↗その後の研究を整理し、「独自性」と「反応性」の両方がある状態として概念を再定義した。
06
批判と境界条件
概念が多義的で、研究者によって「ゆるさ」の意味が異なる。結合の程度をどう測るかについての合意も乏しい。また、ゆるい結合がどんな条件で有利・不利になるかは十分に特定されていない。
出典
- 原典Weick, K. E. (1976). Educational organizations as loosely coupled systems. Administrative Science Quarterly. DOI ↗
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