理論・視点

Organizational Identity組織アイデンティティ

一言で言うと

「私たちは何者か」という問いへの、組織メンバーの答え。中心的で、独自で、時間を超えて続くと考えられている組織の特徴であり、戦略や変化への反応を方向づける。

説明したい問い組織メンバーは「自分たちは何者か」をどう理解し、それが行動にどう影響するのか。
原典Albert, S., & Whetten, D. A. (1985)
Organizational identity
分類Concept / theory
分析単位組織
理論系譜認知 · 社会学
01

中核的な問い

組織にも「自分らしさ」があるのか。あるとすれば、それは環境の変化や外部からの評価に対して、どのような役割を果たすのか。

02

主張とメカニズム

Albert & Whetten (1985) は、組織アイデンティティを、メンバーが考える組織の「中心性」「独自性」「持続性」を備えた特徴として定義した。これは、組織の存続にかかわる危機、合併、急成長など、自己認識が揺らぐ場面で特に表に出てくる。

アイデンティティは、外部の人がどう見ているか(イメージ・評判)とのずれによって揺さぶられる。ずれが大きいと、メンバーは組織の行動を変えたり、自己認識を解釈し直したりする。

03

身近な例

「技術の会社」を自認してきたメーカーが、サービス事業への転換を迫られると、社員から強い抵抗が出ることがある。単なる業務の変化ではなく、「自分たちは何者か」が脅かされるからである。

04

主要概念

中心性・独自性・持続性
組織アイデンティティを構成するとされる三つの基準。
組織イメージ
外部の人が組織をどう見ているかについての、メンバーの認識。
組織同一化
個人が組織のアイデンティティを自分自身の一部として感じること。
05

代表的な展開研究

  • Dutton, J. E., & Dukerich, J. M. (1991). Keeping an eye on the mirror: Image and identity in organizational adaptation. Academy of Management Journal. DOI ↗ニューヨーク港湾局がホームレス問題に対応する過程で、イメージとアイデンティティが行動を形づくったことを示した。
  • Gioia, D. A., Schultz, M., & Corley, K. G. (2000). Organizational identity, image, and adaptive instability. Academy of Management Review. DOI ↗アイデンティティは持続的というより、ラベルは同じまま意味が変わる流動的なものだと論じた。
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批判と境界条件

「持続性」という定義の要素について、アイデンティティは実際には流動的だという反論がある(Gioia et al., 2000)。また、組織という集団に「アイデンティティ」があるとみなすこと自体が、擬人化ではないかという議論もある。文化との区別もしばしばあいまいである。

REFERENCES

出典

  • 原典Albert, S., & Whetten, D. A. (1985). Organizational identity. Research in Organizational Behavior, 7, 263–295.

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