理論・視点

Pyramid of Corporate Social ResponsibilityCSRピラミッド

一言で言うと

企業の社会的責任には、経済的責任を土台に、法的責任、倫理的責任、社会貢献(慈善的)責任という四つの層がある、と整理した枠組み。

説明したい問い企業は、社会に対してどのような責任を、どの順序で負っているのか。
原典Carroll, A. B. (1991)
The pyramid of corporate social responsibility: Toward the moral management of organizational stakeholders
分類Framework
分析単位組織
理論系譜社会学
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中核的な問い

「企業の社会的責任」と一口に言っても、利益を出すこと、法律を守ること、倫理的に振る舞うこと、寄付をすることはそれぞれ違う。これらをどう整理し、どう関係づければよいのか。

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主張とメカニズム

Carroll (1991) は、CSRを四つの責任の積み重ねとして示した。最も下の土台は、社会が求める財やサービスを提供し利益を上げる経済的責任である。その上に、法律を守る法的責任、法律を超えて公正・正義にかなう行動をとる倫理的責任、そして地域や社会に自発的に貢献する慈善的責任が重なる。

ピラミッドの形は、下の層ほど基礎的であることを示すが、上の層が不要だという意味ではない。企業はこれらを同時に満たすことが求められる、とされる。

03

身近な例

ある企業が大規模な寄付やボランティア活動を宣伝していても、長時間労働や法令違反が明らかになれば、社会からの評価は大きく下がる。土台となる経済的・法的責任が満たされていないと、上の層の活動は信頼されない。

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主要概念

経済的責任
社会が必要とする財・サービスを提供し、利益を上げる責任。
倫理的責任
法律に定められていなくても、社会から期待される公正な行動をとる責任。
慈善的責任
寄付や地域貢献など、社会からの自発的な貢献への期待。
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代表的な展開研究

  • Carroll, A. B. (1979). A three-dimensional conceptual model of corporate performance. Academy of Management Review. DOI ↗四つの責任の区分を最初に示し、社会的課題への対応と組み合わせたモデル。
  • Aguinis, H., & Glavas, A. (2012). What we know and don't know about corporate social responsibility: A review and research agenda. Journal of Management. DOI ↗個人・組織・制度の各レベルにわたるCSR研究を整理したレビュー。
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批判と境界条件

四つの責任の境界はあいまいで、互いに対立する場面(利益と倫理の衝突)の扱いが示されていない。ピラミッドの図は階層的な優先順位として誤解されやすい。また、米国の文脈を前提にしており、法制度や宗教的背景の異なる国では層の重みが違うとの指摘がある。

REFERENCES

出典

  • 原典Carroll, A. B. (1991). The pyramid of corporate social responsibility: Toward the moral management of organizational stakeholders. Business Horizons. DOI ↗

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