辞めたいのに、辞められないのはなぜ?
不満はあるし、転職サイトも眺めている。それでも、実際に辞めるところまでは踏み出せない。人が会社にとどまる理由は、仕事への満足や愛着だけではありません。研究では、満足とは別に人を職にとどめている力が調べられてきました。
この疑問を説明する 2 つの理論
職務埋め込み(ジョブ・エンベデッドネス)Job Embeddedness · Mitchell et al. 2001
人を職にとどめているのは、満足だけではなく、職場や地域のつながり、仕事や暮らしとの適合、辞めると失うものの大きさである犠牲が、網のように張りめぐらされているからだ、とする考え方です。提唱者は、これを「一種の動けなさ、惰性、現状維持への傾き」と表現しました。自分が何に引き留められているのかを、職場と地域の両方について考える手がかりになります。
研究の根拠2つの職場の追跡調査(Mitchell et al., 2001)と、65標本のメタ分析(Jiang et al., 2012)。満足やコミットメントを考慮したうえで追加で説明できる離職の割合は小さい。とどまることが本人にとって良いかどうかは検討されていない。
職務埋め込み(ジョブ・エンベデッドネス)の解説を読む ↗組織コミットメント(3次元モデル)Organizational Commitment: Three-Component Model · Meyer & Allen 1991
人が組織にとどまる理由を、そうしたいから(情緒的)、そうする必要があるから(存続的)、そうすべきだと感じるから(規範的)の三つに分ける理論です。「辞めたいのに辞められない」状態は、愛着ではなく、辞めると損をするから残っているという存続的なコミットメントとして捉えられます。
組織コミットメント(3次元モデル)の解説を読む ↗もっと読むなら
虐待的管理(アビューシブ・スーパービジョン)Abusive Supervision · Tepper 2000
辞めたい理由が上司からのひどい扱いにあり、しかも移れる先がないと感じているなら、この研究が関わります。上司からの継続的な敵意の影響の一部(職務満足や抑うつなど)は、他の職に移れる見込みが低いと感じている人ほど強く現れました。
研究の根拠米国の従業員362人を2時点で調べた研究(Tepper, 2000)。
ここに挙げた理論は、疑問を考えるための手がかりです。どの理論がよく当てはまるかは、組織や状況によって変わります。
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