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Theory Atlas
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EVERYDAY QUESTION

仕事に意味を感じられないのはなぜ?

毎日同じ作業の繰り返しで、何のために働いているのか分からなくなる。研究は「何のために働くべきか」には答えません。けれども、人が仕事に意味を感じるのはどんなときか、同じ仕事でも人によって感じ方が違うのはなぜかは、よく調べられてきました。

この疑問を説明する 3 つの理論

01

職務特性モデルJob Characteristics Model · Hackman & Oldham 1976

仕事の特徴が、働く人の心理状態を通じて意欲や満足に影響する、とするモデルです。259件の研究をまとめたメタ分析では、仕事の意味の実感と最も強く結びついていたのは、自分の仕事が他の人の生活に影響する程度(タスク重要性、ρ = .68)で、技能の多様性(ρ = .62)や自律性(ρ = .60)が続きました。自分の仕事が誰に届いているのかが見えにくいと、意味を感じにくくなる可能性があります。

研究の根拠259件の研究のメタ分析(Humphrey et al., 2007)。多くの研究は、仕事の特徴と結果を同じ本人の回答で測っている。

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02

ジョブ・クラフティングJob Crafting · Wrzesniewski & Dutton 2001

働く人は、仕事の範囲、人との関わり方、仕事の捉え方を自分で変えることがあり、その結果、仕事の意味も変わる、とする理論です。122の標本をまとめたメタ分析では、ジョブ・クラフティングはワーク・エンゲイジメント(rc = .45)や職務満足(rc = .29)と関連していました。与えられた仕事を、自分の手でつくり変える余地を考える手がかりになります。

研究の根拠122の標本のメタ分析(Rudolph et al., 2017)。すべて相関研究で、大半は一時点の自己報告。ジョブ・クラフティングを促す介入の研究はまだ少ない。

注意「仕事の捉え方を変える」クラフティングは、このメタ分析では検討されていない。また、負担を減らす方向だけのクラフティングは、離職意図の高さと関連していた。

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03

天職(コーリング)Calling (Job, Career, and Calling Orientations) · Bellah et al. 1985

人と仕事の関係には、生活の手段とみる「ジョブ」、昇進を重視する「キャリア」、仕事そのものに充実感と社会的な意義を見いだす「天職」という違いがあり、同じ職業の中にも三つが見られる、とする考え方です。天職と捉える人ほど、生活や仕事への満足が高い傾向がありました。自分が今の仕事とどう向き合っているかを振り返る手がかりになります。

研究の根拠2つの職場の196人を調べた研究(Wrzesniewski et al., 1997)。天職と答えた人は、収入や学歴も高かった。天職の定義には、研究者の間でまだ合意がない。

注意天職の感覚は時間とともに変わりうる。また、強い天職の感覚をもつ人は、経営側に搾取されやすいおそれも指摘されている(Dobrow & Tosti-Kharas, 2011)。

天職(コーリング)の解説を読む ↗

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自己決定理論Self-Determination Theory · Ryan & Deci 2000

人には有能さ、自律性、関係性という三つの基本的な欲求があり、それが満たされると内側からの動機づけが高まる、とする理論です。職場の研究をまとめたメタ分析でも、三つの欲求の充足は、それぞれ意欲や幸福感を予測していました。

研究の根拠99件の研究のメタ分析(Van den Broeck et al., 2016)。大半が横断的な自己報告の研究で、一部の結果では説明力が小さかった。

欲求階層説Hierarchy of Needs · Maslow 1943

欲求には優先度の階層があり、下の欲求がある程度満たされると、次の欲求が行動を動かすようになる、とする有名な説です。「自己実現」という言葉とともによく引かれます。

注意実証研究による支持は弱い。欲求が五つにはっきり分かれることや、満たされた欲求が次の欲求を強めることを支持する明確な証拠はないとされる(Wahba & Bridwell, 1976)。

ここに挙げた理論は、疑問を考えるための手がかりです。どの理論がよく当てはまるかは、組織や状況によって変わります。

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