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吸収能力
Absorptive Capacity
外部の新しい知識の価値に気づき、それを取り込み、自社の商業的な成果に結びつける能力は、それまでに蓄積してきた関連知識の量に左右される、とする理論。
問い外部の同じ知識に触れても、それを生かせる企業と生かせない企業があるのはなぜか。
エージェンシー理論
Agency Theory
仕事を任せる人(プリンシパル)と任される人(エージェント)の利害は一致せず、情報も偏っている。その結果生じるズレとコストを、監視や報酬の設計で抑えようとする理論。
問い仕事を他者に任せるとき、相手に自分の利益のために動いてもらうにはどうすればよいか。
アーキテクチュラル・イノベーション
Architectural Innovation
製品の部品そのものはほとんど変えず、部品どうしのつなぎ方(アーキテクチャ)を組み替える革新は、既存企業の知識や組織の仕組みを役に立たなくするため、見かけ以上に既存企業を苦しめる、とする理論。
問い小さな技術変化にすぎないように見える革新が、なぜ既存企業を失敗させるのか。
企業の行動理論
Behavioral Theory of the Firm
企業を、利益を最大化する一枚岩の主体としてではなく、限られた合理性しか持たない人々が、目標に照らした満足化、身近な探索、決まったルールによって意思決定する連合体として描く理論である。Cyert & March (1963) が示し、Gavetti et al. (2012) がその前提とその後の展開を整理している。
問い企業は、現実にはどのような過程を経て、価格や生産量、資源配分を決めているのか。
境界物(バウンダリー・オブジェクト)
Boundary Objects
立場や専門の異なる集団が、完全な合意なしに協働できるのは、それぞれが自分なりに解釈しながらも共通に使える「モノ」があるからだ、とする考え方。
問い異なる世界に住む人々は、意味の食い違いを抱えたまま、どのように協働するのか。
バウンダリーレス・キャリア
Boundaryless Career
キャリアを一つの組織の中で昇進していくものとしてではなく、組織や職種の境界を越えて築かれていくものとして捉える視点。
問い一つの会社の中だけで完結しないキャリアを、組織研究はどのように捉えればよいのか。
限定合理性
Bounded Rationality
人は合理的であろうとするが、情報も計算能力も時間も限られている。そのため最適解を探すのではなく、「これで十分」と思える案で満足して決める、とする考え方。
問い能力や情報に限りのある人間は、どのように意思決定しているのか。
ブルウィップ効果
Bullwhip Effect
サプライチェーンでは、小売の販売の変動よりも、上流の卸や工場へ向かう発注の変動のほうが大きくなり、しかも上流に行くほど増幅される。その原因は、各企業が手元の情報にもとづいて合理的に行動することにあるとする理論。
問い消費者の需要はあまり変わらないのに、なぜ上流の企業ほど注文の大きな増減に振り回されるのか。
実践共同体
Communities of Practice
学習は、頭の中に知識を取り込むことではなく、ある実践を共有する人々の集まりに加わり、周辺から次第に中心へと参加を深めていく過程だとする視点。
問い人は仕事や技能を、教室や研修の外で、どのように身につけていくのか。
創造性の構成要素モデル
Componential Model of Creativity
創造的な成果は、領域に関する技能、創造性に関する技能、課題への動機づけの三つがそろったときに生まれ、とくに内発的な動機づけが創造性を高め、外からの制約はそれを損ないうる、とする理論。
問い創造的な成果は、どのような個人の要素と社会的な条件から生まれるのか。
リーダーシップのコンティンジェンシー・モデル
Contingency Model of Leadership Effectiveness
集団の業績は、リーダーの動機づけのスタイル(LPC得点で測る)と、状況がリーダーにどれだけ影響力を与えるか(状況の好意性)との組み合わせで決まり、どんな状況でも最善のリーダーシップのスタイルはないとする理論。
問い同じリーダーが、ある集団では成果を上げ、別の集団では成果を上げられないのはなぜなのか。
コンティンジェンシー理論(条件適合理論)
Contingency Theory
「どんな場合にも最善の組織」は存在しない。環境や技術などの条件に組織の形が合っているとき、成果が高まる、とする理論。
問い組織の最適な構造は、どのような条件によって変わるのか。
コア・コンピタンス
Core Competence
企業の競争力の根っこは、個々の製品や事業ではなく、複数の事業にまたがって生かせる技術やスキルの束にある。企業はそれを軸に事業を組み立てるべきだ、とする理論。
問い多角化した企業の競争力は、どこから生まれるのか。
意図的戦略と創発的戦略
Deliberate and Emergent Strategy
実際に実現する戦略は、事前に計画された意図的戦略だけでなく、日々の行動の積み重ねから結果として形づくられる創発的戦略が混ざり合ったものだ、という視点。
問い企業の戦略は、計画どおりにつくられるのか、それとも行動の中から生まれるのか。
フォルトライン
Demographic Faultlines
集団の多様性の影響は、属性ごとのばらつきの大きさだけでは決まらない。複数の属性(年齢、性別、職種など)の違いが同じ境目でそろうと、集団を下位集団に分ける仮想的な分割線(フォルトライン)が生まれ、それが集団内の対立や分裂を生みやすくする、とする理論。
問い同じ程度に多様な集団でも、あるものはまとまり、あるものは内部で二つに割れてしまうのはなぜか。
イノベーションの普及
Diffusion of Innovations
新しいアイデアや製品は、人々のあいだのコミュニケーションを通じて時間をかけて広がり、その速さはイノベーションの性質や採用する人の特徴によって決まる、とする理論。
問い新しいアイデアや製品は、どのようにして社会に広がっていくのか。
破壊的イノベーション
Disruptive Innovation
優良な大企業は、主要顧客の声に応えて製品を改良し続けるからこそ、最初は性能が劣り安価な新技術を軽視し、やがてその技術を持つ新興企業に市場を奪われる、とする理論。
問いよく経営されている業界のリーダー企業が、なぜ新しい技術の登場で地位を失うのか。
ダイバーシティ・パースペクティブ
Diversity Perspectives
職場の多様性が成果につながるかどうかは、多様性の量ではなく、その集団のメンバーが多様性をどう意味づけ、仕事にどう活かすべきものと考えているか(ダイバーシティ・パースペクティブ)によって左右される、とする理論。
問い同じように人種や文化が多様な職場でも、多様性が学びと成果につながる職場と、緊張や分断を生む職場があるのはなぜか。
ダイナミック・ケイパビリティ
Dynamic Capabilities
環境が速く変わる中で競争優位を保つには、今ある資源を持つだけでは足りない。社内外の資源を組み合わせ直し、作り変える能力が重要だ、とする理論。
問い変化の激しい環境で、企業はどのようにして競争優位を保ち続けるのか。
折衷パラダイム(OLIパラダイム)
Eclectic Paradigm (OLI Framework)
企業が海外直接投資によって国外で生産を行うかどうか、どこで、どの形で行うかは、企業が持つ所有の優位(O)、国の立地の優位(L)、取引を市場に任せず社内で行う内部化の優位(I)の組み合わせで決まる、とする理論。
問い企業はなぜ、輸出やライセンス供与ではなく、海外に自ら拠点を持って生産するのか。
エフェクチュエーション
Effectuation
起業家は、目標を先に決めてから手段を選ぶ(コーゼーション)だけでなく、手元にある手段から出発して、そこから生み出せる結果を選び、つくり出していく(エフェクチュエーション)ことがある、とする理論。
問い将来が予測できない状況で、起業家はどのように意思決定をして新しい事業や市場をつくり出すのか。
埋め込み
Embeddedness
経済的な行為は、孤立した個人の損得計算だけで決まるのではなく、具体的で継続的な人間関係のネットワークの中で行われ、その関係が信頼や不正のあり方を左右するという視点。
問い市場や企業の中の経済的な行為は、人と人との関係からどのような影響を受けるのか。
感情労働
Emotional Labor
接客などの仕事では、働き手は賃金と引き換えに自分の感情を管理し、組織が求める表情や態度を示している。この感情の管理は、本来は私的なものだった感情を商品にし、働き手を自分の感情から遠ざけることがある、という視点。
問い笑顔や思いやりが仕事の一部として売り買いされるとき、働く人の感情には何が起こるのか。
ブリコラージュ
Entrepreneurial Bricolage
資源の乏しい起業家は、手元にあり、他の人が価値がないと見なすような資源を組み合わせて使い回すことで、新しい問題や機会に取り組み、「何もないところから何かをつくり出す」ことがある、とする理論。
問い資源が限られた環境で、なぜ一部の起業家は事業を生み出し、成長させることができるのか。
企業家的機会
Entrepreneurial Opportunity
企業家精神の研究を、新しい財やサービスを生み出す機会が、誰によって、どのように発見・評価・活用され、どのような結果をもたらすのかを調べる分野として定義し直した枠組み。
問い新しい事業の機会はなぜ存在し、なぜ一部の人だけがそれを見つけて活かすのか。
コミットメントのエスカレーション
Escalation of Commitment
自分で選んだ行動方針が悪い結果を生んでいるとき、人はその選択を正当化しようとして、かえってその方針にさらに資源を投じてしまう、とする理論。
問いなぜ人や組織は、うまくいっていない計画から手を引かず、むしろ投資を増やしてしまうのか。
進化経済学(組織ルーティン)
Evolutionary Theory of the Firm (Routines)
企業は最適化の計算ではなく、過去に用いてきた「ルーティン」に従って行動するとみなし、その行動の連続性と市場での選択から、競争、技術変化、経済成長を動的な過程として説明しようとする理論である。Nelson & Winter (2002) が、1982年の著書以来の展開を整理している。
問い限られた合理性しか持たない企業が、なぜ高度な仕事をこなせるのか。そして経済はどのように変化し、進歩していくのか。
離脱・発言・忠誠
Exit, Voice, and Loyalty
企業や組織、国家の質が落ちたとき、顧客やメンバーは「離脱」するか「発言」するかで反応し、その反応が組織に立て直しを促す。忠誠は離脱を思いとどまらせ、発言を引き出す、とする理論。
問い組織の質が低下したとき、人々はどう反応し、その反応は組織の回復にどう役立つのか。
期待理論
Expectancy Theory
人がある行動をとる力は、その行動が望ましい結果につながるという見込み(期待)と、その結果の魅力(誘意性)の掛け合わせで決まる、とする理論。
問い人は、いくつかの行動の選択肢の中から、なぜその行動を選び、どれだけ努力するのか。
探索と活用(知の探索・知の深化)
Exploration and Exploitation
組織の学習には、新しい可能性を試す「探索」と、既にあるものを磨く「活用」がある。活用は確実で早く成果が出るため優先されやすいが、探索を怠ると長期的な適応力を失う、とする枠組み。
問い組織は、新しいことへの挑戦と、今の強みを磨くことの間で、資源をどう配分すべきか。
ファイブ・フォース
Five Forces
業界の収益性は、既存企業どうしの競争、新規参入の脅威、代替品の脅威、買い手の交渉力、売り手の交渉力という五つの力で決まる。企業はこれらの力が弱い位置を選ぶべきだ、とする枠組み。
問いなぜ業界によって、儲かりやすさがこれほど違うのか。
ゴミ箱モデル
Garbage Can Model
組織の意思決定は、問題・解決策・参加者・選択機会が別々に流れ込み、たまたま同じ「ゴミ箱」に居合わせたときに起こる。合理的な手順より、タイミングで決まることが多いとするモデル。
問い目標も手段も曖昧な組織では、意思決定はどのように行われるのか。
基本戦略とバリューチェーン
Generic Strategies and the Value Chain
競争優位は、コストで他社より安くするか、他社と違う価値を提供するかのどちらかから生まれる。その源泉は、企業が行う一連の活動(バリューチェーン)の中にある、とする枠組み。
問い企業はどのような方法で、競合に対する優位を築けるのか。
目標設定理論
Goal-Setting Theory
人が意識的に目指す目標が行動を直接に方向づけ、難しく具体的な目標は、易しい目標や「ベストを尽くせ」という曖昧な目標よりも高い成果につながる、とする理論。
問いどのような目標を持つと、人はより高い成果を上げるのか。
集団浅慮(グループシンク)
Groupthink
まとまりの強い集団では、全員一致を保とうとする力が、代わりの選択肢を現実的に検討しようとする力を上回り、その結果、集団がずさんな決定を下してしまう、とする理論。
問いなぜ有能な人々が集まった集団が、ときに明らかに誤った決定を下すのか。
ヒューリスティクスとバイアス
Heuristics and Biases
人は不確実なもとで確率や数値を判断するとき、少数の簡便な判断の方法(ヒューリスティクス)に頼る。それはふだん役に立つが、ときに系統的で予測可能な誤り(バイアス)を生む、という視点。
問い人は不確実な物事を判断するとき、どのような近道を使い、それによってどんな誤りを犯すのか。
欲求階層説
Hierarchy of Needs
人間の基本的な欲求は、生理的欲求から自己実現の欲求まで「優先度の階層」をなしており、より優先度の高い欲求がある程度満たされると、次の欲求が行動を動かすようになる、とする理論。
問い人は何を求めて行動し、その求めるものはどのように移り変わるのか。
高業績作業システム
High-Performance Work Systems
採用・選抜、訓練、成果に連動した報酬、従業員の参加といった人事施策を組み合わせて用いると、従業員の能力と意欲が高まり、離職の低下や生産性・財務業績の向上につながるとする視点。
問い企業の人事のやり方は、離職率や生産性、さらには企業の財務業績まで左右するのか。
同類性
Homophily
人は自分と似た人とつながりやすく、その結果、情報や考え方がネットワークの中で局所的にとどまりやすいという視点。
問いなぜ人間関係のネットワークは、似た者同士で固まりやすいのか。
人的資本理論
Human Capital Theory
教育、職業訓練、健康などへの支出を、人に体化された資源を増やして将来の所得を高める「投資」としてとらえ、個人や企業がどれだけ投資するかを費用と収益の比較で説明する理論。
問い人はなぜ、いまの所得をあきらめてまで教育や訓練を受け、企業は誰の訓練費用を負担するのか。
i-deals・個別配慮
Idiosyncratic Deals (I-deals)
従業員が雇用主と個別に交渉して、同僚とは異なる働き方や処遇の条件を得ることがある。こうした個別の取り決めは、従業員と組織の双方に利益をもたらしうるが、同僚から公正だと受け止められるかどうかが鍵になる、とする理論。
問い同じ職場でも一人ひとり働き方の条件が違うとき、その個別の取り決めはどのような場合に本人・組織・同僚にとって望ましいものになるのか。
制度的同型化
Institutional Isomorphism
同じ分野の組織は、市場での競争や効率の追求によってだけでなく、国家や専門職を通じた圧力によって、互いに似た形になっていく。DiMaggio & Powell (1983) はこれを制度的同型化と呼び、強制・模倣・規範という三つのメカニズムを示した。
問い組織は変わろうとしているのに、なぜ同じ分野の組織どうしは互いに似通っていくのか。
制度ロジック
Institutional Logics
社会や業界で共有された前提・価値・ルールのパターン(制度ロジック)が、組織で何が正当とされ、何に注意が向き、どんな解決策が適切とされるかを方向づけるという視点。Thornton & Ocasio (1999) は、米国の高等教育出版業界で編集ロジックから市場ロジックへの移行が起こり、それに伴って経営者の交代を左右する要因が入れ替わったことを示した。
問い組織の中で何が権力の源泉となり、いつ経営者が交代するかは、その時代・その業界で優勢な「当たり前」によってどう変わるのか。
制度化された組織(神話と儀式)
Institutionalized Organizations (Myth and Ceremony)
組織の公式な構造の多くは、仕事の必要からではなく、社会で合理的だとされる制度化されたルール(神話)を取り入れた結果として生まれる。Meyer & Rowan (1977) は、神話に沿った組織は正統性と資源を得る一方で、公式構造を実際の活動から切り離す(脱連結)と論じた。
問い組織の部署や規程は、本当に仕事を調整するためにあるのか。
職務特性モデル
Job Characteristics Model
仕事に技能の多様性、タスク完結性、タスク重要性、自律性、フィードバックという五つの特性がそなわると、働く人は仕事の意味や責任、結果を実感し、内側から動機づけられる。その効果は成長欲求の強い人ほど大きい、とする理論。
問いどのような仕事の設計が、人を内側から動機づけるのか。
ジョブ・クラフティング
Job Crafting
働く人は、与えられた職務をそのまま受け取るだけでなく、仕事の範囲、人との関わり方、仕事の捉え方を自分で変えている。その結果、仕事の意味や自分が何者かという感覚も変わる、とする理論。
問い働く人は、上から設計された仕事を、自分の手でどのようにつくり変えているのか。
仕事の要求度-資源モデル
Job Demands-Resources Model
どの職種の仕事の特徴も「仕事の要求度」と「仕事の資源」の二つに分けられ、要求度が高すぎると消耗が、資源が足りないと仕事からの離脱が生じ、この二つがバーンアウト(燃え尽き)をつくる、とする理論。
問い職種が違っても共通して働く人を燃え尽きさせるのは、仕事のどのような特徴なのか。
知識ベース・ビュー
Knowledge-Based View of the Firm
企業にとって最も重要な資源は知識である。企業は、個人がばらばらに持つ専門知識を統合し、製品やサービスに変えるための仕組みだ、とする視点。
問い知識を持つのは個人なのに、なぜ企業という組織がそれを活かす場として存在するのか。
LMX理論(リーダー・メンバー交換理論)
Leader-Member Exchange (LMX) Theory
リーダーシップを、リーダー個人の特性や行動ではなく、リーダーと一人ひとりのメンバーとの二者関係の質としてとらえ、その関係が成熟したパートナーシップに育つほど、双方に多くの恩恵が生まれるとする理論。
問い同じリーダーの下にいても、メンバーによってリーダーとの関係の質が違うのはなぜで、その違いは何をもたらすのか。
リーン生産方式
Lean Production
自動車産業の国際比較から、大量生産よりも少ない人手・空間・在庫・開発期間で、品質と多様性を両立する生産と企業運営のやり方を「リーン(ぜい肉のない)生産」と名づけ、それが大量生産に代わる普遍的な方式として世界に広がるとする視点。
問い同じ自動車をつくるのに、なぜ一部の企業は、より少ない資源で、より高い品質と多様な製品を実現できるのか。
外国企業の不利益(外国性の負債)
Liability of Foreignness
外国企業は、現地企業なら負わずにすむ追加の費用を負うため競争上不利になりやすく、多国籍企業はこの不利を本国から持ち込む組織能力などで乗り越える必要がある、とする理論。
問い外国の市場で事業を行う企業は、なぜ現地企業に比べて不利になるのか。そして、その不利をどう乗り越えるのか。
ルース・カップリング(緩やかな結合)
Loose Coupling
組織の部分どうしは、互いに反応しあいながらも、それぞれの独自性と分離を保ったまま、ゆるく結びついていることが多い。Weick (1976) が学校組織を例に示したこの見方は、合理的な設計図では説明しきれない組織の姿をとらえ、そのゆるさの利点と欠点の両方を問う。
問い計画や権限できっちり結びついていないのに、組織がまとまりを保ち、存続できるのはなぜか。
市場志向
Market Orientation
「顧客を大切にする」というマーケティングの考え方を、組織の具体的な活動として捉え直し、市場の情報を集め、部門間で共有し、それに組織全体で対応する度合いとして捉えるべきだ、とする理論。
問いマーケティング・コンセプトを実際に実行している組織とは、何をしている組織なのか。
オープン・イノベーション
Open Innovation
企業は研究開発を自社内だけで完結させるのではなく、外部の知識を取り込み、自社で使わない技術を外部に出すことで、より多くの価値を生み出せる、という視点。
問い企業は、自社の外にある知識や技術を、どのように使って新しい価値を生み出すのか。
両利きの経営(組織の両利き)
Organizational Ambidexterity
既存事業を磨く力と、新しい事業を切り開く力を、一つの組織の中で同時に持つこと。そのために、異なる文化を持つ部門を分けつつ、トップが統合する、といった仕組みが必要だとする理論。
問い組織は、既存事業の効率化と新事業の開拓を、どうすれば両立できるのか。
組織市民行動
Organizational Citizenship Behavior
職務として決められてはいないが、同僚を助ける、組織の活動に進んで関わるといった自発的な行動が、積み重なることで組織の働きを支えている、とする理論。
問い職務記述書に書かれていない自発的な協力は、組織にとってどのような意味をもつのか。
組織コミットメント(3次元モデル)
Organizational Commitment: Three-Component Model
従業員と組織の結びつきには、情緒的、存続的、規範的という性質の異なる三つの要素があり、それぞれが別の理由で人を組織にとどまらせる、とする理論。
問い人はなぜ、今の組織にとどまり続けるのか。
組織文化
Organizational Culture
組織文化とは、集団が問題を解決する中で身につけ、「当たり前」として新しいメンバーに伝えていく前提の体系である。目に見える人工物、表明された価値観、無意識の基本的前提の三層からなる、とする理論。
問い組織の「らしさ」はどのように形成され、人々の行動をどう方向づけるのか。
組織アイデンティティ
Organizational Identity
「私たちは組織として何者か」という問いへの答えとして、組織を他の組織から区別する中心的で持続的な特徴を捉える概念。その特徴が本当に「持続的」なのか、それとも外部のイメージとの相互作用で変わっていくのかをめぐって議論がある。
問い組織の「らしさ」とは何であり、それはいつ、どのように組織の行動を方向づけ、また変わっていくのか。
組織的公正
Organizational Justice
人は職場で、結果の配分、決め方の手続き、相手からの扱い、説明の仕方のそれぞれについて公正さを判断する。組織的公正はこの四つの次元に分けて捉えられ、次元ごとに異なる態度や行動と結びつく、という視点。
問い職場の人々は何を手がかりに「公正だ」と感じ、その判断は態度や行動にどう影響するのか。
知識創造理論(SECIモデル)
Organizational Knowledge Creation (SECI Model)
組織の新しい知識は、言葉にしにくい暗黙知と、言葉や数字で表せる形式知が、共同化・表出化・連結化・内面化の四つの過程を通じて変換され、個人から組織へと螺旋状に広がることで生まれる、とする理論。
問い組織は、どのようにして新しい知識を生み出すのか。
組織の正統性
Organizational Legitimacy
組織の存在や行動が、社会の規範や価値観に照らして「適切だ」と受け入れられている状態。正統性があると資源や支持を得やすく、組織は正統性を獲得・維持・回復しようとする。
問い組織は、社会から「ふさわしい存在だ」と認められるために何をするのか。
パラドックス理論
Paradox Theory
組織には、短期と長期、効率と創造、統制と自由のように、矛盾しながらも両方必要な要素がつきまとう。どちらかを選ぶのではなく、両方を抱え続けることが長期的な成果につながる、とする理論。
問い組織は、互いに矛盾するが両方とも欠かせない要求に、どう向き合えばよいのか。
パス・ゴール理論
Path-Goal Theory of Leader Effectiveness
リーダーの役割は、部下が仕事の目標を達成したときに得られる報酬を高め、そこに至る道筋(パス)を明確にし、障害を取り除くことにあり、どのリーダー行動が効果的かは仕事の性質などの状況によって変わるとする理論。
問いリーダーのどのような行動が、どのような状況で部下のやる気と満足を高めるのか。
個体群生態学
Population Ecology
個々の組織は大きく変わることが難しい。組織の世界の変化は、主に新しい組織の誕生と古い組織の消滅によって起こる、と生物の進化になぞらえて説明する理論。
問い組織の多様性はなぜ生まれ、環境の変化に応じてどう入れ替わっていくのか。
イノベーションからの利益獲得
Profiting from Innovation
新しい技術を最初に生み出した企業が、必ずしもその利益を得られるとは限らない。誰が利益を手にするかは、模倣のしやすさ、支配的な設計が定まっているか、製造や販売などの補完的資産を誰が持つかで決まる、とする理論。
問いなぜイノベーションを最初に生み出した企業が負け、後から来た模倣者や補完的資産の持ち主が利益を得ることがあるのか。
プロスペクト理論
Prospect Theory
人はリスクのある選択をするとき、最終的な財産の大きさではなく、基準点からの利得と損失で結果を評価し、確率もそのままではなく歪めて重みづけする、とする理論。
問い人はリスクのある選択を、実際にはどのように評価して決めているのか。
心理的契約
Psychological Contract
働く人は、組織との間で「自分がこう貢献すれば、組織はこう報いる約束をした」という個人的な信念を抱く。この信念が裏切られたと感じると、単なる期待外れよりも強い反応が起こる、とする理論。
問い書面の契約には書かれていない「約束」を、働く人はどう理解し、それが破られたと感じたとき何が起こるのか。
心理的安全性
Psychological Safety
チームのメンバーが「このチームでは、対人関係上のリスクをとっても安全だ」という信念を共有していると、フィードバックを求める、誤りについて話し合うといった学習行動が起こりやすくなり、それがチームの成果につながる、とする理論。
問いなぜ一部のチームでは、メンバーが率直に発言し、失敗から学べるのか。
断続均衡モデル
Punctuated Equilibrium
組織は、基本的な活動パターンが安定した長い期間(均衡期)と、それを根本から崩す短い変化の期間(革命期)を交互に経験する、とするモデル。Romanelli & Tushman (1994) は米国のミニコンピュータ企業25社の歴史を調べ、根本的な変革の大半が短期間に戦略・構造・権力配分でまとめて起こっていたことを示した。
問い組織の根本的な変化は、小さな変化の積み重ねで起こるのか、それとも短い期間にまとめて起こるのか。
CSRピラミッド
Pyramid of Corporate Social Responsibility
企業の社会的責任には、経済的責任を土台に、法的責任、倫理的責任、社会貢献(慈善的)責任という四つの層がある、と整理した枠組み。
問い企業は、社会に対してどのような責任を、どの順序で負っているのか。
関係性ビュー
Relational View
競争優位の源泉は、企業の内部だけでなく、企業と企業の関係の中にもある。関係に特化した投資や知識の共有によって、単独では得られない利益(関係レント)が生まれる、という視点。
問い企業どうしの協力関係は、なぜ競争優位の源泉になるのか。
資源依存理論
Resource Dependence Theory
組織は必要な資源を外部に頼っており、その資源を握る相手にパワーを持たれ、行動を制約される。そのため組織は、合併、提携、取締役の選任、政治活動、経営者の交代などを通じて依存を管理しようとする、とする理論。
問い組織は、外部の他者への依存をどのように管理しようとするのか。
資源ベース・ビュー
Resource-Based View
企業ごとの業績の差は、その企業が持つ資源の違いから生まれる。価値があり、希少で、真似しにくく、代わりがきかない資源を持つ企業が、持続的な競争優位を得るとする理論。
問い同じ業界にいながら、なぜ一部の企業だけが長く高い業績を上げ続けられるのか。
自己決定理論
Self-Determination Theory
人には有能さ、自律性、関係性という三つの基本的な心理的欲求があり、それらが満たされる環境では内発的動機づけや、外からの価値の取り込み(内在化)が進み、成長と健康につながる、とする理論。
問い人が自分から進んで取り組むのはどんなときで、周囲の環境はそれをどう育てたり損なったりするのか。
意味形成(センスメイキング)
Sensemaking
人は、予想外の出来事に出会うと、手がかりを拾い、もっともらしい筋書きをつくり、それに基づいて動く。組織とは、この意味づけと行動が絶えず繰り返される過程だとする視点。
問い人々は、曖昧で予想外の状況にどのように意味を与え、行動につなげるのか。
サービス・ドミナント・ロジック
Service-Dominant Logic
経済的な交換の根本にあるのはモノではなく、知識やスキルを相手のために用いる「サービス」であり、モノはサービスを届けるための手段にすぎない、という視点。
問い企業と顧客のあいだで交換されている価値の本質は、モノなのか、それともサービスなのか。
シングル・ループ学習とダブル・ループ学習
Single- and Double-Loop Learning
組織の学習には、決められた目標や前提の範囲で行動を修正するシングル・ループ学習と、その目標や前提自体を問い直すダブル・ループ学習の二つがある、とする理論。
問い組織は、なぜ誤りを直せても、誤りを生む前提そのものは変えにくいのか。
スモールワールドと創造性
Small Worlds and Creativity
協働のネットワークが、密なまとまりどうしを短い経路で結ぶ「スモールワールド」の性質を強めるほど、創造的な成果は高まるが、強くなりすぎると逆に下がる、とする理論。
問い創造的な仕事をする人々のつながり方は、生み出される作品の成功にどう影響するのか。
ソーシャル・キャピタル
Social Capital
人や集団がもつ関係のネットワークと、そこから得られる資源を「ソーシャル・キャピタル」ととらえ、それが知識の結合と交換を促し、新しい知識を生み出すことで組織の優位につながるとする理論。
問いなぜ組織は、市場での取引よりもうまく知識を生み出し、共有できるのか。
社会的交換理論
Social Exchange Theory
人間関係を、相手から返ってくる見返りを期待して行う自発的な行為のやりとりとして捉える。見返りの内容や時期が決まっていないため、交換は信頼と恩義の感覚を生み、同時に権力の差も生む、とする理論。
問い人々はなぜ見返りが約束されていないのに他者に尽くし、そのやりとりはどのように信頼や権力を生むのか。
社会的アイデンティティ理論
Social Identity Theory
人は自分を、所属する集団のメンバーとして定義する。組織への同一化とは、組織と自分が一体である、あるいは組織に属しているという知覚であり、それが組織を支える行動や集団間の関係を左右する、とする理論。
問い人はなぜ所属する組織を「自分たち」と感じ、その感覚は組織での行動にどう影響するのか。
ステークホルダー理論
Stakeholder Theory
企業は株主だけのものではない。従業員、顧客、取引先、地域社会など、企業に影響を与え、影響を受けるすべての人々(ステークホルダー)の利害を考えて経営すべきだ、とする理論。
問い企業は誰のために経営されるべきで、多様な利害をどう調整するのか。
スチュワードシップ理論
Stewardship Theory
経営者は必ずしも利己的ではなく、組織のために働くこと自体に動機づけられる「執事(スチュワード)」でありうる。その場合、監視より信頼と権限の委譲が成果を高める、とする理論。
問い経営者を信頼して任せることが、監視するより良い成果を生むのはどのようなときか。
構造的空隙
Structural Holes
互いにつながっていない集団の間の隙間(構造的空隙)をまたぐ位置にいる人は、多様な情報にいち早く触れ、それを集団の間で翻訳できるため、成果や良いアイデアにつながる優位を得るという理論。Burt が1992年の著書で体系化した。
問い集団と集団の間の隙間に立つ人は、なぜ有利になるのか。
技術的不連続とドミナント・デザイン
Technological Discontinuities and Dominant Design
技術は、飛躍的な変化(技術的不連続)が起きて複数の設計が競い合う混乱期を経て、一つの標準的な設計(ドミナント・デザイン)に落ち着き、その後は小さな改良が続く、という周期で進むとする理論。
問い技術はどのような周期で変化し、その変化は業界の企業にどんな影響を与えるのか。
技術受容モデル(TAM)
Technology Acceptance Model
人が新しい情報技術を使うかどうかは、主に「役に立ちそうか(知覚された有用性)」と「使うのが楽そうか(知覚された使いやすさ)」という二つの認識で説明できる、とする理論。
問い人はなぜ、ある情報技術を受け入れて使い、別の技術は使わないのか。
テルティウス・イウンゲンス
Tertius Iungens
つながっていない人どうしを引き合わせたり、すでにつながっている人どうしの新しい協力を促したりする「結びつける第三者」の志向が、組織のイノベーションへの関与につながるとする理論。
問い組織の中で、新しいアイデアを実際のイノベーションとして実現させるのは、どのようなネットワークと行動なのか。
技術の二重性
The Duality of Technology
技術は、人がつくり、使い方を変えていく産物であると同時に、人の行動を方向づける枠組みでもある。技術と組織は一方的に影響するのではなく、人の使い方を通じて互いにつくり合う、という視点。
問い技術は組織を変えるのか、それとも人や組織が技術の意味を決めるのか。
弱い紐帯の強さ
The Strength of Weak Ties
親しい相手との強いつながりよりも、たまに会う程度の弱いつながりのほうが、異なる集団の間を橋渡しし、新しい情報や機会を遠くまで運ぶという理論。Granovetter (1973) が、二人の友人関係の重なりという単純な仮説から導いた。
問い新しい情報や機会は、親しい人と知り合い程度の人の、どちらから届くのか。
トークニズム
Tokenism
集団のなかでごく少数しかいない属性の人々は、個人としてではなく、その属性を代表する「象徴」として扱われる。そのため、目立ちすぎ、多数派との違いが誇張され、型にはまった役割を押しつけられるという不利を負う。こうした不利は、個人の資質ではなく集団内の人数の比率という構造から生じる、とする理論。
問い組織のなかで少数派の人々が直面する困難は、その人の性別や能力のせいなのか、それとも少数派であるという人数の構成のせいなのか。
取引費用理論
Transaction Cost Economics
取引には、相手を探し、交渉し、約束を守らせるためのコストがかかる。そのコストが大きい取引ほど、市場ではなく組織の内部(階層)で行われる、とする理論。
問いある活動は、なぜ市場で外部から買うのではなく、組織の内部で行われるのか。
トランザクティブ・メモリー(交換記憶)
Transactive Memory
集団では、全員がすべてを覚えるのではなく、「誰が何を知っているか」を互いに把握し、記憶を分担している。この分担の仕組みが集団の知的な働きを支えるとする理論。
問い集団は、メンバーの知識をどのように分担し、必要なときに引き出しているのか。
変革型リーダーシップ
Transformational Leadership
リーダーは、報酬と引き換えに働きを求める取引だけでなく、部下の意識や欲求そのものを高め、自分の利害を超えて集団のために、当初の期待以上の働きをするよう動機づけることができる、とする理論。
問いなぜ一部のリーダーのもとでは、人々が求められた以上の働きをするのか。
二要因理論(動機づけ-衛生理論)
Two-Factor Theory
仕事への満足をもたらす要因と不満をもたらす要因は別のものであり、満足は仕事そのものに関わる要因から、不満は仕事を取り巻く環境に関わる要因から生じる、とする理論。
問い人が仕事に満足する理由と、不満を感じる理由は、同じものなのか。
二面市場・プラットフォーム
Two-Sided Markets and Platforms
異なる二つの利用者グループを仲介するプラットフォームでは、一方の参加者が増えるほど他方にとっての価値が高まる。そのため価格や戦略は、両側のバランスを見て決めなければならない、とする理論。
問いプラットフォーム企業は、なぜ一方の利用者を無料にしたり、補助したりするのか。
アッパーエシュロン理論(経営上層部理論)
Upper Echelons Theory
組織の戦略や業績は、そのトップ経営者たちの価値観と認知の基盤を映し出している、とする理論である。Hambrick & Mason (1984) は、年齢や職歴、学歴といった観察できる経歴から、組織の成果を部分的に予測できると提案した。
問い組織の戦略や業績は、トップ経営者が誰であるかによって、どこまで説明できるのか。
ウプサラ・モデル
Uppsala Internationalization Model
企業の国際化は、海外市場についての経験的な知識を少しずつ蓄え、それに応じて海外市場への資源の投入を段階的に増やしていく過程であり、知識と投入が互いに強め合いながら進む、とする理論。
問い企業はなぜ、いきなり海外に大きな投資をするのではなく、少しずつ段階を踏んで国際化していくのか。
ユーザー・イノベーション
User Innovation
新しい製品やサービスの多くは、メーカーではなく、それを使う人(ユーザー)が自分の必要から生み出している。とくに市場の先端にいる「リードユーザー」は、将来の需要を先取りした発想の源になる、とする理論。
問いなぜメーカーではなく、製品を使うユーザーが新しいものを生み出すことがあるのか。
ワーク・エンゲイジメント
Work Engagement / Personal Engagement
人は仕事の役割に、自分の身体・認知・感情をどれだけ注ぎ込むかを、その時々に調整している。自分を注ぎ込むかどうかは、その仕事に意味があるか、自分を出しても安全か、注ぎ込む余力があるか、という三つの心理的条件で決まる、とする理論。
問い人はなぜ、あるときは仕事に自分を注ぎ込み、あるときは仕事から自分を引き離すのか。
仲介
Brokerage
互いに直接つながっていない人や集団の間に立ち、両者を結びつける位置や行為。情報や資源の流れを左右するため、ネットワーク研究の中心的な概念の一つになっている。
問い集団と集団の間に立つ人は、何を得て、何をしているのか。
組織学習
Organizational Learning
組織が経験から推論を引き出し、それをルーティンや知識として蓄え、将来の行動を変えていく現象。個人の学習の総和ではなく、組織としての記憶や手順に残る点が特徴である。
問い組織は、経験から何をどのように学び、それはどこに蓄えられるのか。
Exploration and Exploitation in Organizational Learning
組織学習における探索と活用March 1991 · Organization Science
新しい可能性の探索と、既存の確実性の活用の間の配分を、組織学習の中心問題として定式化した論文。二つのシミュレーション・モデルで、活用に偏る学習が長期的には組織を弱めうることを示した。
問い組織は、新しいことを試す探索と、今あるものを磨く活用に、資源をどう配分すべきか。
Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams
職場のチームにおける心理的安全性と学習行動Edmondson 1999 · Administrative Science Quarterly
「チームの心理的安全性」という概念を提示し、オフィス家具メーカーの51チームを対象に、質的調査とアンケートを組み合わせて検証した論文。心理的安全性は学習行動を通じてチームの成果につながり、リーダーのコーチングや組織の支援は心理的安全性を通じて学習行動に影響することを示した。
問い職場のチームでは、なぜ誤りを話し合ったり助けを求めたりするところと、しないところがあるのか。
Sensemaking in Organizations
組織における意味形成Weick 1995 · SAGE Publications
人々が曖昧で不確かな状況に意味を与え、その意味にもとづいて行動する過程(センスメイキング)を体系的に論じた書籍。センスメイキングの7つの特性を示した。
問い人々は、何が起きているのか分からない状況に、どのように意味を与えていくのか。
Structural Holes and Good Ideas
構造的空隙と優れたアイデアBurt 2004 · American Journal of Sociology
集団の間の構造的空隙をまたぐ人ほど良いアイデアを出すという仮説を、アメリカの大手電子機器メーカーでサプライチェーンを担う管理職673人のデータで検証した論文。良いアイデアは集団の境目から生まれる一方、アイデアは身近な同僚とだけ話し合われ、組織の分断が再生産されていたことも示した。
問い異なる集団を結ぶ位置にいる人は、なぜ良いアイデアを出しやすいのか。そのアイデアは組織に広がるのか。
The Strength of Weak Ties
弱い紐帯の強さGranovetter 1973 · American Journal of Sociology
二人の間のつながりが強いほど、二人の友人関係は重なるという仮説から、異なる集団を結ぶ橋渡し(ブリッジ)は弱い紐帯に限られることを導き、情報の普及、転職、地域社会の組織化を説明した論文。個人間の関係と社会全体のパターンを結びつける試みとして書かれた。
問い親しくない知り合いとのつながりは、情報の広がりや社会のまとまりにどう関わるのか。
強い紐帯と弱い紐帯
Strong ties / Weak ties
弱いつながりと強いつながりのどちらが役に立つのか、という論点。答えは、求めるものが新しい情報か、複雑な知識か、信頼や支援か、によって変わることが分かってきている。
問いどのような情報や活動に、どのようなつながりが役立つのか。